ライブ配信の市場規模はどのくらい?5Gでさらに広がる可能性
ライブ配信の市場規模はどのくらい?5Gでさらに広がる可能性
企業紹介やウェビナーなど、ビジネスの場面でもライブ配信を見かけることが多くなっています。広がりをみせるライブ配信の市場はどのくらいの規模で成長しているのでしょうか。5Gの台頭により、今後のライブ配信への期待も高まっています。時代ごとのライブ配信を取り巻く環境を知って、今後のライブ配信について考えてみましょう。
ライブ配信サービスとは
Web上のプラットフォームを利用して、リアルタイムで動画や音声を視聴者に届けるライブ配信サービス。普及した当初は個人による配信が目立っていましたが、近年では多くの企業も活用しており、注目を集めています。
プラットフォームにも選択肢が増え、無料で配信できるものから1,000名以上の規模で大型配信が可能なものまで、幅広い種類が選べるようになりました。ライブコマースや有料配信ができる機能を持つサービスも多く、より収益化を実現しやすいコンテンツになりつつあると言えるでしょう。
法人向けのライブ配信サービスとその特長
ライブ配信サービスには、法人向けにさまざまな機能に特化したものがあります。サポートに特化したサービスを選べば、社内に専門的な担当者が居なくてもスムーズな導入とその後の運用が実現するでしょう。技術的知識が必要な内容のフォローや、サービス独自の機能の使い方説明など、法人向けサービスを利用すれば手厚くサポートしてくれるはずです。メニューの一環として専門の技術スタッフが配信を手伝ってくれたり、トラブルが起きた場合の修復をしてくれたりするサービスを導入しているものもあります。
また法人向けサービスは、独自のシステムを構築し強力なセキュリティに特化しているサービスも多いです。重要なコンテンツや社外秘の内容をメンバーに共有する場合は、セキュリティがしっかりしたものを利用するようにしましょう。
個人でも使えるライブ配信サービスとその特長
近年ではInstagramやFacebookなどの代表的なSNSに搭載されているライブ配信機能や、ライブ配信をメインのサービスにしているイチナナライブ、YouTube Liveなど、アカウントを作れば誰でもライブ配信をできるサービスが急激に増えてきました。インターネット環境と撮影・配信する端末があれば、すぐにライブ配信を始めることができます。気軽に配信でき、初期費用などのコストも掛からない点が大きな特長です。
無料で利用できるサービスも多いので、コストパフォーマンスを重視するのであればまずは個人でも利用できるメジャーなサービスで始めてみるのが良いでしょう。ビジネスシーンでも、zoomでオンライン面談やウェビナーが開催される機会が増えています。この場合は個人でも利用できるサービスに有料オプションを追加して、セキュリティ面の強化や人数制限のハードルをクリアしている場合が多いです。
ライブ配信の需要
ライブ配信はさまざまなシーンで需要が増えてきています。とりわけ2020年以降は、新型コロナウイルスが発生し世界的に流行したことで、大人数で集まるのを避けるためリアルイベントの代わりとして採用されるケースが増えました。コンサートやスポーツ中継などのエンターテインメントコンテンツのほか、企業の新発表や視聴者参加型のウェビナーなどのライブ配信も急増しています。
ライブ配信が一般的に普及し始めている今、企業がこれから導入を検討する場合には、視聴者からの反響を得られる内容にするための工夫が必要となるでしょう。うまく潜在顧客にアプローチできれば、SNSやECサイトと組み合わせて活用することで、ライブコマースとして売上に直結させられるかもしれません。
それではライブ配信への大きな需要が見込めるのは、いったいどんなシーンなのでしょうか。多くの人がライブ配信を視聴するのは、以下の3つ需要が発生したときと考えられます。
配信者自体のことをもっとよく知りたい
ライブ配信は配信者と視聴者がリアルタイムでやりとりできるため、従来よりも密接なコミュニケーションが取れるコンテンツです。視聴者にとっては、リアルでは不可能な近い距離感で配信者のことを知れる機会にもなります。作り込まれた動画を見るよりも生の声や姿勢を知ることができるので、個人・企業のどちらが配信する場合でも、配信者や配信する内容へ強い興味を持って視聴する人が多いでしょう。
ビジネスとしてライブ配信を行う際には、この心理を利用して商品のPRをしたり、企業広報として新作の発表をしたりすれば、より大きな反響を得られるはずです。
離れた場所で行われるイベントを体感したい
ライブ配信は、会場との直接的な距離を気にする必要がありません。自宅などから気軽にアクセスできるので、通常であれば参加できないような離れた場所で開催されるイベントにも参加できるようになります。オリンピックなどの世界的なスポーツ大会の中継や国際的な人気のあるアーティストのコンサートのように、唯一無二のコンテンツを配信することで、全世界から視聴者を集められるかもしれません。
なお海外からの視聴を見込む場合は、視聴方法の説明やライブ配信内容の多言語化も重要です。
視聴者限定の情報を知りたい・体験したい
有料配信を行うと、視聴者は参加費を支払って情報を得たり、イベントを疑似体験したりします。能動的にライブ配信を視聴する背景には、テレビなどの公共放送では得られない限定的な情報を知りたいという目的がある人が多いでしょう。
配信者にとってはリアルのイベントよりも、より多くの人へ一斉に情報を送れる機会となるはずです。これまでは人気すぎて希望者の一部しか参加できなかったイベントや、リアルで開催するには参加者一人当たりのコストが高額になってしまうセミナーなどでも参加人数の枠を増やせるでしょう。今までリアルで開催していたものをライブ配信に切り替えても経済効果が期待できますが、従来どおりリアルイベントを開催して同時に有料配信を行えば、さらに大きな副収入が得られるのではないでしょうか。
ライブ配信の市場規模推移
ライブ配信の市場規模は、国内で利用が始まって以来その市場規模を拡大し続けてきました。2018年時点では有料動画配信と有料音楽配信の市場規模は合わせて2,122億円と言われています。これは前年の2017年と比べて、約12%伸びている数字です。
参照:経済産業省 商務情報政策局 情報経済課
平成 30 年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)報告書
https://www.meti.go.jp/press/2019/05/20190516002/20190516002-1.pdf(2021-08-12)
ライブ配信市場の流れは大まかに3段階に分けられます。1つずつ見ていきましょう。
ライブ配信サービスのはじまり
ライブ配信は2011年に企業や自治体によってビジネス目的での活用が始まりました。しかしすぐに浸透はせず、市場はゆっくりと拡大していきます。同時期の中国などではすぐにライブコマースが支持され市場が急拡大していったのですが、サービスが発生した当時の日本では、企業によるライブ配信は注目が集まっているとは言い難いコンテンツでした。
一方ニコニコ動画やYouTubeなどのプラットフォームの定着によって個人による配信が少しずつ増え、個人が行うものとしてライブ配信のイメージが定着していきます。
ライブ配信サービスが徐々に広がり始めた2017年
2017年ごろには、イチナナライブやSHOWROOMなどの個人でも使えるライブ配信サービスが市場拡大し、ライブ配信自体が広く認知され始めるようになりました。これらのプラットフォームには、配信者が収入を得られるシステムがついていたため、営利目的でライブ配信を行う人も増えた時期であるといえます。2018年にはライブコマースに取り組む企業も徐々に増えました。
注目を集め順調に成長している
近年ではNetflixなどのストリーミング配信が普及したことも影響して、人々が動画を見ることに慣れてきました。個人による配信の成功例も増えたことから、企業によるライブ配信も注目されてきています。
2019年には政府が働き方改革の方針を打ち出し、テレワークでオンライン会議を行うためのライブ配信サービスが広がりました。また2020には新型コロナウイルスが発生。リアルで集まることが難しい社会になったことで、ライブ配信を利用するシーンが爆発的に増加します。
有料配信やウェビナーも普及し、収益化できる企業も増えているので動画配信の市場規模自体も広がり続けているでしょう。
今後のライブ配信サービス
2021年以降も引き続きライブ配信サービス利用の需要は続くと想定されます。新型コロナウイルスが終息する見通しが立っていない段階ではもちろん、ライブ配信は使い慣れてしまえば便利な点が多いので、元の社会に戻ってからも拡大し続ける市場なのではないでしょうか。
オンデマンド配信やリアルでのイベントとライブ配信、最新の技術を組み合わせて配信することで、新たな需要を生み出す可能性もあるでしょう。例えばVRやARの技術と組み合わせて仮想現実を体験し、オンデマンドで詳細を振り返るようなライブ配信が増えていくかもしれません。
5G通信の利用が始まったことで、以前より大容量のデータ通信量を必要とする動画配信も可能になっています。普及すれば動画の遅延やラグが減少し、画質や音質が向上するのでライブ配信に魅力を感じる視聴者や企業はさらに増えていくでしょう。ユーザビリティが改善し続けていくことで、今以上にコンテンツの内容に集中できる環境がスタンダードになるはずです。
拡大しつづけるライブ配信
ライブ配信の市場は拡大し続けています。通信技術の改善や新開発によって、ライブ配信でできることの可能性は無限に広がっていくでしょう。
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